「主務」って何?どんなことしているの?と疑問に思っている方も多いはず。
ということで、今回は大学駅伝の「主務」について筆者の経験に基づいてご紹介します。
- 箱根駅伝が好きな人
- 主務って何か知りたい人
目次
そもそも「主務」って何?

主務はマネージャーのトップ
多くの大学が、4年生のマネージャーの中から主務を選出します。
ですので、
と言えます。中には選手として走りながら主務も担当している人もいますが、かなり例外的でしょう。
役職の名称は大学によってさまざまで、「駅伝主務」と呼んでいるところもあります。基本的には「主務」も「駅伝主務」も同義ですよ。
選手のサポート役+チームのまとめ役
日々の活動は、基本的にはほかのマネージャーと同じです。
選手が全力で練習に集中できる環境を整え、大会で実力以上の力を発揮できるようにサポートすることがマネージャーとしての役割となります。
具体的には、選手が練習する前に給水や用具の準備をし、練習中のタイム計測や給水補助、練習後に片づけと練習で得たデータの集計などを毎日行います。練習中は、ストップウォッチを4つ同時に使いながらタイムを記録していく多忙さ。タイム計測しながらグランド内を走り回っています。
その他にも、監督からの指示を部員へ連絡したり、大会の申込手続、用具の注文、部費の管理、来客の接待、買い出し、部で所有している車の管理など…やることはたくさん!
時には選手のマッサージを行ったりもします。選手の身体の状態をチェックしておくこともマネージャーの大事な役目。
個人的には、選手とコミュニケーションが図れるマッサージの時間が大好きでした!時には一緒に自主練をしたりすることで、選手の状態を近くで感じることも大事な時間となります。
このようにマネージャーの仕事をしながら、監督・コーチや主将と一緒にチームをまとめていくのが「主務」の役割です。
主務は責任重大!強い精神力が必要

チームの中心人物&大学の顔
主務が少しでも怠けてしまえば、チーム全体に緩みがでてしまいますので責任は重大です。判断を迫られることもありますし、監督と選手の仲介役で板挟みになることも…
難しい立場なのです。
外的には、外部の方と接する機会が多くなるため、”大学の顔”として行動をする必要があります。
初めて会う方とは必ず名刺交換をするのですが、1日に20枚以上交換する日もしばしば。関係者が集まる会議の際は、会議の開始直前まで名刺交換をすることもあります。
一度会った方は覚えておく必要もあるため、頭がパンクしそうですね。
大会直前は緊張の日々…
「主務」としての役割は、大会が近づくにつれて増える傾向があります。
箱根駅伝のような大きな大会になると、事前の会議が何度か行われるのですが、その会議に出席し、当日の注意点や選手への連絡事項についてチームへ伝達するもの主務の任務。
さらに、選手エントリーが行われる12月10日には、各チームの監督・コーチ、主務が一堂に会し「記者発表」が行われます。そこで主務は、大勢の記者の前で大会へ向けての決意と抱負を語ります。
もちろん話す言葉は事前に決めておくわけですが、これが想像以上に緊張するのです。
記者会見慣れしているマネージャーなんてそうはいませんし、「恵比寿ガーデンプレイス」というオシャレな場所のステージに立つだけで鳥肌が立ちますから、緊張するのは当たり前ですよね。
この記者会見が、主務だけが経験できる重大任務であることは間違いありません。
このように、主務はチームの影の柱となり、チームの代表として行動することが多くなります。
主務の1日のスケジュールを大公開!

1日のスケジュール(平日)
4:30 朝練習の準備開始
(給水・用具の準備)
5:10 朝練習開始
(タイム計測・給水補助)
7:00 朝練習終了
7:15 朝食
7:30 授業のため大学へ
(通学に90分かかりました…)
12:00 昼食
(大学の学食。これが美味!)
15:00 帰寮
15:30 午後練習の準備開始
16:00 午後練習開始
(タイム計測・給水補助)
19:30 午後練習終了
その後、データの記録・集計
20:30~ 雑務
22:00 入浴
22:30~ 雑務(選手は就寝の時間)
23:00 就寝
寮から大学までが遠かったので、1限のある日の朝は本当にドタバタ。朝から”その1秒を削り出す”ことをしていました。
朝から晩まで陸上尽くし
選手はそれぞれ授業を受けているため、寮へ帰ってくる時間はバラバラです。
そのため、練習開始時間も選手によって異なるわけですが、マネージャーは最後の選手が練習を終えるまでずっとグランドにいることになります。
授業がない日はグランドにいる時間がさらに長くなります。休日は1日3回練習をすることもしばしば。朝練習して朝食を食べたらすぐ午前練習、昼食を食べて少ししたら今後は午後練習。気が付けば夜になっているといった感じでした。
夏休みや春休みの長期休暇はほぼ毎日3回の練習でしたから、文字通り「朝から晩まで陸上尽くし」となります。陸上好きにはたまらない毎日ですね。
大会直前は取材対応の日々
大学三大駅伝(出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝)が近づくと一層毎日が充実してきます。TVや雑誌の取材対応が多くなるためです。
当時は、マネージャー専用のiPhoneを持ち、取材依頼の電話やメールの対応をしていました。もちろん、練習時間以外に電話がかかってくることもあるので、常にメモ帳とペンを持って出かけていました。もはやビジネスマンです。
一見、忙しくて辛そうな感じに見えますが、当時はこれが当たり前の日常で、楽しい毎日でした。
社会人になってもできないようなことをたくさん経験できる日々でしたから。(主務を任せていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです!)
このように、マネージャーは選手を支えるために自分の時間を犠牲にして頑張っています。これは、どの大学のどのマネージャーにも言えることです。
大学駅伝を応援するときは、裏方として活動しているマネージャーがいることをぜひ思い出してみてください。
きっと、大学駅伝の見方が少し変わりますよ。