人前で話すことに慣れていたとしても、話し方に説得力のある人とそうでない人っていますよね?両者の違いは何にあるのでしょうか。どのような話し方をすれば、伝えたいことが相手に届くのでしょうか。
私は、6年間高校の教師をしていました。教師は「話して伝える」ことが仕事です。”どのように話をしたら伝わるか”を毎日考え、試行錯誤を繰り返してきました。その経験を基にたどり着いた”説得力のある話し方”の技を【基礎編】としてをご紹介します。(【応用編】はこちら)
- 人前で話す機会が多い人
- 話し方のスキルをアップさせたい人
- 話し方に自信がない人
目次
「結論→理由→具体例→まとめ」の順で話す
人に何かを伝える際には、話の内容を整理した上で「結論」から話すようにしましょう。
結論から話すことで、あなたにも相手にも次のようなメリットがあります。
- あなた:伝えたいことが確実に伝わる
- 相 手:あなたが何を言いたいのかが明確に分かる
「結論」を後回しにしてダラダラと話をしてしまうと、「結局何が言いたいの?」と思われかねません。聞き手の集中力も途切れてしまいますよね。
仕事をする上では”相手の時間も有限”ですから、伝えたい内容を簡潔にまとめて伝えることが大切です。
話す内容は、「結論」「理由」「具体例」「まとめ」の4つに分けて予め考えておくと良いでしょう。小論文の書き方と一緒です。話すことも小論文を書くことも、”伝えたいことを伝える”という点では共通しています。相手に分かりやすく伝えるためにはこの順番が効率的かつ効果的なのです。
普段の何気ない会話から、この順番を意識して話をするようにしてみましょう!
具体例は誰もがイメージできる例を示す
「具体例」は、話の内容をより分かりやすく伝えるための「補助説明」であり、理解を促す最適なツールです。
誰もがイメージできる具体例を用意し、あなたの伝えたいことが確実に理解してもらえるようにしましょう。
身近にあって誰もが知っているものや、具体的な数値で示すと伝わりやすくなりますよ。
逆に、細かすぎるマニアックな例えは、伝わらない可能性が高くなりますので注意が必要です。
ウケを狙う「具体例」の場合は、場の空気や会場の人を見て、使えるか使えないかを判断しましょう。(やると決めたら思い切ってやり切りましょうね!)
「具体例」の良い例をいくつかご紹介します。青字が「具体例」の部分です。
世界では貧富の格差が拡大しています。 国際NGO「オックスファム(Oxfam)」が2019年1月に発表した報告書によれば、世界で最も裕福な26人が、世界人口の半分にあたる38億人の総資産と同額の富を独占しているそうです。
世界では、人口増加が大きな問題となっています。国連のデータ等から推計すると、世界の人口は1分間に156人、1日で22万人、1年で8,000万人増えています。このままでは食糧不足に陥るのも時間の問題だと思います。
弊社では、全国各地に巨大な倉庫を完備しており、いつでもどこへでも商品をお届けできます。アニメで例えるなら、ドラえもんの四次元ポケットと同じくらい何でも揃っていますよ。
いかがでしょうか?
よくTVなどでは広さを表す具体例として「東京ドームの約〇倍」という言葉を使ったりしますよね。同じように「〇〇の△倍」「〇〇人のうち▢人」のような数字を使うとイメージしやすいのでオススメです。(田舎育ちの私には「東京ドームの〇倍」と言われてもイメージできたことがないので、これが良い例だとは思っていませんが…)
数値を示すときには、データの出どころをはっきりさせると説得力が増します。特に、公的な機関が集計したデータを使用すると信頼されますよ。
話す「結論」が決まったら、分かりやすい「具体例」を用意して説得力のある説明ができるようにしましょう。
言葉は適度に短く、シンプルに
あなたは「人前に出るとついつい説明が長くなってしまう人」ではないですか?
心当たりがあるとすれば、もしかすると”分かりにくい説明”をしてしまっているかもしれません。
分かりやすい説明とは、「無駄がなく、具体的で、明確な説明」です。
文章にしたとしても”分かりやすい文”になっていることが理想です。つまり、一文が長すぎるのはNG!逆に短すぎるのも幼稚な印象を与えてしまう可能性があります。
例えば、次の3つの文を読んでどれが分かりやすいでしょうか?
今朝、私は6時に起きてからストレッチをし、7時にテレビを観ながら朝食を食べ、それから学校へ行く準備をして8時過ぎには家を出ましたが、忘れ物をしたので一度家へ戻り、結局学校に着いたのは9時でした。
今朝、私は6時に起きました。そしてストレッチをしました。7時にテレビを観ながら朝食を食べました。それから学校へ行く準備をして8時過ぎには家を出ました。しかし、忘れ物をしたので一度家へ戻りました。結局学校に着いたのは9時でした。
今朝、私は6時に起きてストレッチをしました。7時にテレビを観ながら朝食を食べ、それから学校へ行く準備をしました。8時過ぎには家を出ましたが、忘れ物をしたので一度家へ戻り、結局学校に着いたのは9時でした。
どの文章も理解はできますが、”理解のしやすさ”を考えると「C 一文が適度に短い文章」が良いのではないでしょうか。
”適度に短く”というのが分かりにくいですが、ポイントは長くなり過ぎないように意識することです。大人の話し言葉では短くなり過ぎることはまずないので、長くなり過ぎないようにだけ注意しましょう。
一文を短くすることで、頭の中を整理しながら話すことができ、何が言いたいのか自分でも分からなくなることを防ぐ効果も期待できますよ。
「言葉は適度に短く、シンプルに」を意識しましょう!
いかがでしたでしょうか。
今回は説得力のある話し方の【基本編】をご紹介しました。
より本格的に話し方を学びたい方は【応用編】をご覧ください。